仕事を知るプロジェクト Project 2

PROJECT STORY 02

チームの提案力と
徹底的に伴走する熱意が、
大型案件も成功に導く。

売り手

重量物のトレーラー輸送を専門とし、高収益を上げる従業員数十名の運送会社。

買い手

大規模な倉庫を保有し、総合物流事業を展開する従業員数百名の運送会社。

STEP1

Sourcing

ソーシング

会社分割や相続対策。
売り手に寄り添った提案で、案件を受託。

売り手企業は、創業社長が一代で築いてきた重量物輸送専門の高収益企業。高齢の社長は、ご息女に特殊なノウハウを要する事業を継いでもらうのは忍びなく、社内メンバーに経営を任せるか、社外から新たに後継者を迎えるか、事業承継の方策を模索していた。すでに社長は複数のM&A仲介会社と面談を重ねていて、当社はまず受注獲得という壁を乗り越える必要があった。

そこで当社のチームでは、早い段階から税理士資格を持つ経験豊富なM&Aコンサルタントを交えて社長との面談に臨み、売り手企業が本業とは別に保有していた不動産物件に着目。会社譲渡後もこの物件は手元に残せるよう、会社分割のスキームを提案した。

この不動産物件は安定収益を生んでいて、この会社分割スキームによって社長のご息女が将来にわたって収益を得られる仕組みを構築できる。さらに、M&A後の相続対策についてもあわせて提案に盛り込んだ。これらの提案が売り手社長に響き、当社に仲介を任せてもらえることとなった。

STEP2

Matching

マッチング

M&Aに必要な資金の調達を、綿密にサポート。

会社分割によって収益不動産を切り離すことは、その分売り手企業の譲渡価額がおさえられ、買い手企業にもメリットが生まれる。とはいえ、このM&Aには総額数十億円におよぶ資金が必要であり、チームでは事業シナジーが見込める大手から中小企業まで、全国規模で買い手の探索に取り組んだ。

この過程で、重量物輸送に関心を示す総合物流企業の若手オーナー社長との出会いがあった。ちょうど売り手のご息女と買い手社長が同世代だったこともあり、売り手と買い手社長はまるで親子のように意気投合。ときには「お義父さん」「息子よ」と冗談で呼び合うような関係にまでなっていた。残る課題は、買い手企業の資金調達をどのように支援するかであった。買い手が巨額の資金を金融機関から借り入れ、かつ、M&A成立後初年度から黒字経営を継続するために、チームメンバーは長期間にわたる返済計画をその細部まで策定。金融機関との打ち合わせにも同席するなどのサポートに注力した。

STEP3

Execution

エグゼキューション

コロナ禍によって生じた誤解。
仲介者だからこそできた支援。

順調に進むかに見えた案件であったが、契約締結を前にして新型コロナウイルス感染症拡大が深刻化。買い手社長が、いったん環境の推移を見たいと検討期間延長の意向を示した。買い手のこの対応が、売り手にはネガティブに映ってしまい、売り手企業は、「苦しい時にともに手を取って歩めないような相手には譲渡できない」とM&Aを取りやめることを決断。買い手に断りの連絡を入れてほしいと話があり、破談となった。

経済が大混乱に陥っていた時期だ。各社対応の方向性を模索していたころであり、買い手社長にとっては、そのような環境下で慎重に検討することは致し方ないという気持ちがあった。一方、売り手社長には、予想外の事態とはいえ、親子のように意気投合をした買い手社長が決断を翻意したことへの悲しみがあった。

ここまで両者に伴走してきた当社のコンサルタントには、両者ともに本心ではこのM&Aを進めたいと考えているが、コロナ禍という不測の事態にボタンのかけ違いが起こり、気持ちがすれ違っていることが感じられた。その気持ちのすれ違いを解くことができないか思案し、当社は両者と幾度も面談を重ねた。もともとお互いの経営手腕や人間性を高く買っていた2人である。面談を通じて将来あるべき企業像をともに見つめ直し、誤解が生じていたことに気づくと、3カ月後にはお互いが譲歩し合う形であらためて契約締結が実現した。

出会うべくして出会った経営者同士ではあったが、この復活劇を後押しするために、両者の建前だけでなく本音の部分を伝えることを心掛け、両者が納得のいく着地点を探して、チームメンバーは何カ月にもわたり伴走してきた。また、チームには、会社分割など複雑なスキームを用いた中小企業の事業承継に数多く携わってきた豊富な経験があり、複数の条件案についてメリット・デメリットを客観的な根拠をもって伝えることもできていた。実際にこの収益不動産を切り離すための手続きや実務までをサポートしたことも、契約締結に大きく寄与したと言えるだろう。

STEP4

After That

M&Aのその後

売り手・買い手ともに、輝かしい未来へ。

チームのベテランコンサルタントは、「売り手からも、買い手からも“感謝される仕事”を目指して、ずっとこの世界で取り組んできた」と、自らのキャリアを語っている。また、「当社に来てから、いろいろな業種の会社の実態を財務諸表などの“数字”で把握できるようになり、経営者とより深い議論ができる面白さが広がった」と語る中堅メンバーもいる。

まさにこの案件でも、売り手企業の創業社長から、収益不動産を手元に残す法人の所有としたことでご息女2人に利益配分ができるようになり、安心してリタイアできたと笑顔で感謝の言葉をいただいた。また、買い手企業は当社の仲介を経て、これまでは社内にリソースがなくて外注していた重量物輸送という事業領域に、経験豊富な従業員とともに参入できた。総合物流企業として新たな可能性を追求する毎日に、若手社長は目を輝かせているという。